緑の丸天井(Green Vault)


レジデンツ城に着いた。 

その昔、このドイツ、ドレスデン一円にはザクセン公国というひとつの国があった。その選帝侯アウグストが1560年頃に秘密の宝物保管室を造ったという。

その名もGreen Vault。ドイツの人々は1570年代からここを「緑の丸天井」と呼んでいるらしい。 この宝物保管室は7つの部屋から成っており、その柱の一部がグリーンに塗られていたからそう名付けられたとの事。 

ここはヨーロッパで最も豪華絢爛な展示だという名声をかねてから知っていたので、この場所の存在は知っていた。 しかしチェコの旅ついでに衝動で来てしまうとは…。

館内は絶対に撮影禁止だ。しかし例の「彼」が4月に僕と同じようにココを訪れたようである…。 貴重な内部の写真を載せておこう。




そしてぶっ続けで3000点の宝物を見終わった…。



やはり音声ガイドを丁寧に聞きながら一つひとつを凝視していたら、半日かかってしまった。 まさにルーブルと同じ衝撃を受けてしまった…。

何だココは…。 こんな凄いものが、こんな凄いものが世の中にはあるんかい!! 生きていて良かった。 本当に生きていて良かった。 こんなトテツモナイものを見れるなんて、僕は…。 

出口でタバコを吸いながら放心状態になっている。 ああ、いかんいかん…また感官をぶっ殺された。エスプレッソでも飲みながら余韻に浸ろう…。


ああいう宝物と呼ばれる芸術を見て、いつも思う事がある。 

朝鮮の美と欧州の美の違いについてだ…。 僕は、朝鮮の芸術に韓国・北朝鮮人の高尚な民族性を見ている。 朝鮮民族の作る芸術はいつも自然と一つである。 姿もさることながら、その美の背景に感じる完成された学術と哲学の薫り・・・ 

古来から朝鮮民族は宇宙の一部として相応しい異物を作ることに徹してきた。 それらは見れば見るほど、恐ろしく深い「美」の世界へといざなわれてゆく。 その姿は、何かしらのイデアを表しているようでもあった。僕は青磁の小さな壷を眺めながら泣いてしまったことさえある。

朝鮮民族が追求する美・・・これこそ神への挑戦であると僕は思っている。

そして今、ドイツに立ち、朝鮮の美とは全く異なる背景から生まれた美と向き合った。

そもそも宝物とはなんなのか…。 盗賊が金に換えるためにあるのではないし、ただ単純に眺めるためにあるのでもない。 欧州の貴族たちがこれらの宝物を持つのには正当で不純な理由があったのだ。

古来からキリスト教社会の人々は、人間は学を積むことにより自然を支配できると考えていた。 その教義を踏まえ、次々と芸術が生み出されてゆく。そして宝物はいわゆる「小宇宙」として捉えられてきたのだ。

小宇宙を所有する貴族たちは、宇宙を創造した神と近い存在であるという「位置づけ」を作りたかった。 それを所有することにより、貴族が一般ピーポーとは別次元の生き物だという世界を創りたかった。

よってそれらは、貴族にとって「よりしろ」のようなものであり、更に言えば「権力主義を象徴したモノ」であった。 神器的な物質を所有すれば神に近づけるという、安易で腐れた精神…。そしてそれらの悪念を包み隠し、それでも余るほどの美しさを持っている宝物… 

出生背景の愚かさ、それとは裏腹に輝くその煌びやかな姿・・・僕はそれらを眺めながら感じた・・・。

貴族たちは、実存を考えることなく、宝物によって権力のみを得てきた。つまり、自分を自分で創造することもない人生をおくってきたはずだ…。 ああ、人間は今も全く変わっていない。 物質に支配され、権力社会で権力を得る事しか考えていない。

権力社会がそうさせるのか、それともキリスト教の教義がそうさせるのか、それてもキリスト教の教義こそが権力主義を意味しているのか…。


そもそも、神を権力と理解していいのか。


美というものの中に魂を感じることがある。 その魂に権力を結びつけたのは人間の愚かさ以外の何者でもない。 西洋の宝物が持つ美の位置づけは単に神の名を借りた権力主義者の暴挙ではなかろうか。


美しさは神聖である。


そしてその神聖を利用し、汚しているのが権力主義であることは間違いなかろう。 ああ、美を愛と受け止めたい。 権力から生まれた美に対し、その物質から人間の愚かさを抜き去り、神の慈愛として存在させたい。

権力者の手を離れて、はじめて宝物は本来の美を放つ。
人間のエゴによって生まれた美を愛に昇華させるのもまた人間である。 Green Vaultの美よ、魂よ、あなたたちを眺めている全ての人間たちに愛と哲学を・・・。

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