アインザムカイト

 ホテルに戻る途中、さっきのカフェで思うように言葉が通じなかった事を悔やんでいる。 言葉が通じないと、何とも言えない孤独感を感じるのだ。 



そうだ・・・ドイツに来てからずっと言葉が通じない・・・だからずっと頭の中にひとつのドイツ語が浮かんでいるのだ。「カイト」という言葉。 何故か僕はドイツ語で「孤独」という単語を知っている。 学生時代「アインザムカイトとツヴァインザムカイト(ひとりの孤独とふたりの孤独)」を学んでいたことを思い出したのだ。 

道を聞こうとしても、よく「英語は分かりません」と言われ会話が続かないことが多々ある(特にオバさんに多い)。 ああそうか、ココは旧東側だもんな・・・英語なんて必要ない地だったんだよなぁ。

しかし、それでもこちらがしつこくジェスチャーで説明しようとすると、じっと見つめながら待ってくれている。 そういうドイツ人の「民度の高さ」にずっと助けられながら歩いている。



ああ、トイレ(小)したいな・・・
公衆トイレに入った。 日本の公衆トイレなんて臭くて、汚くて、気持ち悪いの3Kもいいところだが、やはりこのドイツは違う・・・。 臭くない、綺麗、気持ちいいの逆3Kなのだ。 ドイツって恐ろしい。 本当にデザインにも機能にもスキが無い。 しかも水の出てくる量が絶妙でエコロジー感まで漂わせている。




ホテルに戻り、シャワーを浴びながら、手を洗うクリームソープの滑らかさと香りにまで感動している。 持って帰りたいなぁ。

さっぱりして部屋に戻ると、何故か冷房が効かない。 オイオイ、ドイツともあろうお国が、エアコンの故障ですか??  

フロントに電話し「冷房がおかしいから来て」と言うと、フロントの女性は間髪いれずに「窓はちゃんと閉まっているのか??」と聞く。 後ろを振り返り、窓を確認すると、ズバリ僅〜かに空いていた・・・。 
シャープなデザインの金属ノブを引き上げ、ガシャっと閉めると、突然エアコンが始動するではないか・・・。 

恐ろしきエコ大国!!

やっぱ、ドイツという国はハンパなく凄いぞ・・・。 本当に凄い国・・・。 僕は今までいろんな国に行ってきたつもりだが、正直言って日本より進んでいると思った国はなかった。 この国ははっきり言ってヤバイ!! 相当ヤバイのだ。 

「我が国はこの国だけには勝てん」という感覚に心を締め付けられている。 ああ、この直感って何年ぶりだろう。 そういえば昔、中国で「ああ、我が国はこの国と将来戦争になるな・・・」と思った以来の直感が襲ってきた。(怖)

ホテルのロビーにインターネットの有料貸し出しサービスがあると言うので、お金を払い、IDとパスワードをプリントアウトしてもらった。 

何を調べるのかって?? もちろんドイツ語を勉強したいのだ。 ずっとパソコンを眺めながら、気付きがあれば即座にメモっている。

あらっ、フロントの金髪女性と目が合った。

僕がとっさに手招きすると、腕を後ろに組んで歩いてきた。 僕は書き写したカタカナのドイツ語を喋りながらパソコンを指差した。「イスト ダス アイン ドイチェス プロドゥクト?(これはドイツ製ですか?)」

女性は「あ゛っ??」という通じなかったときの表情をする。
 
僕は、早口でもう一度ヒトラーのような喋り方で喋ってみた。
すると女性は、ああ〜なるほど、という顔に変わり、「ナ〜イン(いいえ)」と言っている。
そして女性は、手本を見せるように、滑らかな声で「イスト ダス アイン ドイチェス プロドゥクト??(ドイツ語というのはイメージに反してとても滑らかな発音の言語)」と喋った。

僕は負けずに、オウム返しすると、目を大きく開けて「うきー(OK)」と言い、英語で「今、とても上手に喋ったわ」と言ってくれた。  

その後、フロントの女性は接客で戻っていったが、アインザムカイトな勉強は1時間続いた。

よし、文法とかはさっぱり分からないけど、必要な言葉を10個くらい丸暗記したぞ!! すると、何やら体がムズムズしてきた。 日が暮れてしまったのに、また外に出たくてたまらないのだ。

さっきからずっと意味も無く路面電車に乗っている。 窓に流れる紺色の景色を見ながら、ふと考えた。 このままずーっと乗っていたらどうなるのかな・・・。  

そして40分くらいずーっと乗っている。 おおっ!! 景色が変わってきた。 どうやら爆撃されていないドレスデンの街が残っているのだ。 しかもプラハ並みに美しい!! 

数少ない街灯にぼんやりと照らされ現れた古い都ドレスデン。 パリにもプラハにも匹敵する美しい街並みが突如現れたのだ・・・。 明日は絶対ここに来よう!!

さらにずーっと乗っている。 一時間以上乗っている気がする。 眼鏡のサラリーマンが椅子に座ると同時に分厚い本を開いて読み始める。 周りの人はどうなのかな・・・

なっ、何ぃ!!

ケータイを見ている奴なんて一人も居ない・・・。 かなりの確立でみんな黙って本を読んでいるぞ。 しかも分厚い本を・・・。 こいつ等、ただものではない。 こいつらドイツ人は勉強が趣味なのか?? 流石に偉大な哲学者、宗教者、科学者、政治家を数多くも輩出した恐ろしい国だ。 

ドイツって何なんだ・・・。

窓の景色が閑散としてきた。家も無くなり、草原を走っているような感じなのだ。 ヤバイな・・・。 僕が電車を飛び降りるとそこは虫が鳴く真っ暗な草原だった・・・。

しまった!! 俺、どうすればいいんだ!?

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