アール・ヌーヴォー

JUGEMテーマ:旅行

ドレスデン行きの列車に乗ろうとすると、前髪だけ赤く染めたチェコ人の男が僕に話しかける。 「プラハ方面に行くのだが、この列車でいいのか??」と・・・。 DB(ドイツ鉄道)には車体に電光掲示があり、列車番号がついている。 僕の切符の列車番号とその電光掲示の番号を交互に指差し「問題ないだろ?」と言うと、彼はすぐに安心し「モッツヴァームジェクィ(本当に有難う)」と言った。 

ああ、2日ぶりに聞く耳慣れた言葉だ・・・。 

まるでチェコ語が母国語の様に恋しい言葉になっている。 彼と近くの席に座り、プラハに帰っている。 モルダウを眺めながら彼とアジアの事を色々と話していたが、疲れが出てきたのか瞼がしょぼしょぼしてきて寝てしまった。 彼はプラハに着く前のチェコの田舎町で降りようとしている。 お互いに「またいつか会おうな!!」と言いながら、座ったままハイタッチした。 

列車はプラハに着き、駅に出てすぐの場所でタバコを吸っていると、アジア人のカップルが大きなスーツケースを転がしながら現れた。 僕と同じ風貌なので、思わず親近感が沸いてしまい、頭を下げて挨拶した。 するとカップルも好意的な目で僕に一礼しながら英語で「何処の国の人ですか?」と聞いてくる。 「Japanese」というと、「我々はKorean」と言う。 ああ、コリアンね・・・。 んっ!? コリアン?? 心の同胞じゃないか!!

「なんだ!! 韓国人か!! いやぁ、会えて本当に嬉しいよ、さっきのDBでドイツから帰ってきたんだけどさぁ、もぅドイツ語分かんないからずーーーっと喋れなくて黙っていて寂しかったわけよ!! やっと言葉が通じる相手が見つかった。ヤッホー」と言うと、彼らは目を丸々として「えっ、ちょっと・・・本当に日本人なんですか??」と言っている。

「違うよ、日本人だよ。 顔を見ろよ韓国人の顔じゃないだろ?? ところで今から何処に行くんだよ??」と言うと、「ああ、僕たちは今からプラハを観光するのでホテルに行くんだ。 さっきまでベルリンに居たんだよ。 僕達の旅はロンドンから始まって、色々と転々としながらやっと今プラハに辿りついたの」と言いながらさわやかに笑っている。

「僕はさっきまでドレスデンに居たんだけど、ベルリンはどーだった??」と聞くと、「ベルリンはヨーロッパヨーロッパしていない感じがした。 率直な印象だけど、僕たちの国に似ているな・・・と思ったんだよ」と言いながら笑っている。 僕は「ベルリンも歴史的な建造物が随分戦争で焼けたからねぇ、だから新しい建物が多いんじゃない??」と言うと「そうかもしれない。とにかく何でもかんでも本当に新しいんだよね・・・でも、僕たちの中で本当にドイツの印象が変わったんだよ」と言っている。

興味津々に「今回ドイツを見るまで、ドイツに対してどういう印象を持っていたの??」と聞くと、゜物凄く悪い国という印象があった。 しかし、近代的でお洒落で、最先端の国でしかも人々が本当に親切で驚いたんだよ」と言う。 これには僕も同感なので興奮しながら「だろ!? そーだよな!! ドイツ人って何って言うか、とにかくみんな丁寧で親切で凄くいいよな!!」と言うと二人もそうだそうだと納得している。

チェコの人には申し訳ないが、僕と韓国人は地下鉄の中でも大きな声で爆裂トークを繰り広げてしまい、ああ、僕は何でここまで韓国と同化してしまっているんだろう・・・と改めて感じた。 彼らは自分たちが降りる駅で降りろとうるさかったが、僕は「プラハ中心街を歩いていたら、また会うさ。 その時に一緒に酒飲んで死のうぜ!!」と韓国的な挨拶をし、彼らとは別れた。

僕はまたムゼウム駅に向かっている。 

ヴァーツラフ広場に着いた。 ただいま、アールヌーヴォーのプラハ・・・。 ヤン・パラフの十字架に十字を切り、視線をヴァーツラフ広場に向ける。 なんでこんなに落ち着くんだろうこの国は・・・。 ドイツにいるより、本当に本当に落ち着くのだ。


ヴァーツラフ広場沿いのホテルエウロパ(バリバリのアールヌーヴォー建築)にチェックインし、すぐに街に飛び出している。 ここ、プラハにはアールヌーボーの大家(たいか)アルフォンス・ミュシャの美術館があるのだ。 

先に訪れたプラハ城内、聖ヴィート教会のステンドグラスや市民会館の内装、そして市庁舎内部の装飾など、プラハ市内の数々のアールヌーヴォーを手掛け、更にはチェコスロバキア時代の紙幣等のデザインも手掛けているのがアルフォンス・ミュシャ・・・ 

そう、まさにチェコが誇る最高の商業デザイナーであり、このプラハ全てのアールヌーボーに影響を与え、波及させた男である。 早く言えばミスターアールヌーヴォーだろう。


ああ、職業の大先輩よ・・・。 僕もプロとしてあなたに近づきたい・・・。


この人も音楽家のスメタナと同じく、異国での名声を捨ててボヘミアに戻り、自分の全てを祖国の為に注いだ人である。 

そして晩年はヒトラーから「危険な愛国心」と言われ、捉えられ、それがたたって衰弱し、死んでしまった。

←これはパリ時代のポスター




ふと、一枚の画の前でまた足が止まってしまった・・・。↓



この画はなんていう美しさだろう・・・。 女性のこの表情がミュシャらしい・・・。 恍惚としているようにも見えて、自分の美しさに対する自信に満ちた顔にも見える。 それかといって憂いも覗かせているし、笑っているようにも見える。 

ミュシャの恐ろしさは此処だ。

ミュシャの書く女性は、本当に表情豊かである。 彼の書く女性は何故かフランス人に見える。 フランス人の思想、フランス人の哲学から出てくる表情が多いのだ。(私だけかなこんな見方をしているのは・・・)

私が好きな画家、クリムトとミュシャ・・・この二人は女性の美しさを知り尽くしている。 女性の華々しさを知り尽くしている。 


そう、女性は、この世に咲く「華」なのである。


ああ、ミュシャ美術館に何時間居るのだろう・・・。 僕に影響を与えたデザイナーの一人ミュシャの魂よ・・・

ボヘミアの魂よ永遠に・・・。

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