梨泰院テーラー



何年ぶりだろうか。 本当に久しぶりに梨泰院に降り立った。 ほぼ10年ぶりだろう。 ハミルトンホテルも、外人ばかりなのも、英語の看板も・・・全く変わっていない。




昨日、光州の女の子が梨泰院に行くって言ってたな・・・。 昨日、一緒に来ればよかった。 あの子どこに行ったんだろう・・・ あの子・・・

♪あの子〜どこに居るのやら〜星空の続くぅ〜あの街あたりか〜〜



昔から思うが、何故かこの街は演歌が良く似合うのだ。 さっきから、頭の中に五木ひろしの「夜空」がずーっと流れて止まない・・・。 今の心境なのか・・・ 

ちっ・・・メールアドレスくらい聞いておけばよかったな・・・。 昨日の女の子も、今日の銀行レディも・・・僕はなんでいつも「メアド教えて」の一言を忘れるのだろう・・・。 イ・ビョンホンみたいに去っていくという美学がいつも俺の婚期を遅らせる。

僕は、チョッパリだから、桜の様にすぐに散り行く刹那的な出会いが心のどこかで好きなのかもしれないね・・・真性チョッパリなのかな・・・。


♪夜は〜いつもひとりぼっちぃぃ〜〜〜


五木ひろしの様に目を小さく絞って梨泰院の路地裏を眺めている・・・。


ああ、あったあった。 韓国人に大人気の本格派バーガーショップ스모키살룬(Smokey Saloon)!! 名前だけ知ってたけど、こんな路地にあったのか・・・。 しかも、ネイティブ臭が漂う、アメリカの地味な店って感じだ・・・。 少し遅い昼食になったが・・・



いっただきまーす。

うぁっ!! 噂は本当だったわ・・・。 コイツは凄いぞ・・・。 ビーフが凄いことになっとる!! 肉汁も上品だ。 えっ・・・?? あとからじわじわと感じるが、何て美味しいビーフなの・・・ つーかバンズも全部・・・
全部隙がないやんかこのバーガー!! 最高に美味い!!


出たぞ!! 化け物バーガー!!!!!!! 美味すぎる!!


梨泰院でしか味わえない味もあるよなぁ・・・。 こいつは本気でタマランわ・・・。 Smokey Saloonの名前は覚えておいて損はない!! 絶対に!!

勘定をしていると、ボーイから「お味は如何でしたか?」と聞かれた。
「ああ、梨泰院まで来た甲斐があったよ、本当に美味しかった。」と言うと、「ありがとうございます。 狎鴎亭と、最近では明洞にもお店を開けましたので、またいらしてください・・・」と。

あっ??明洞に開いただと!!??

オイオイ!! 梨泰院よ!! そんな事だから梨泰院の価値が下がっていくんだよ!! 明洞に作ってしまったら、梨泰院に来る楽しみがなくなるやん!!

僕は梨泰院がとても心配だ・・・ このままでは、この哀愁に満ちた梨泰院がただのゲットーになってしまいそうで・・・。

そうだ・・・あまりにも스모키살룬が美味しすぎて、ここに来た目的を忘れていた。 えっと・・・あの子を探しに来たのではない・・・。 ここに来たのはワイシャツをオーダーするためだよ。


此処、梨泰院にはテーラーが沢山ある。



数々の店が競合しているからか、価格はそこまで高くない。 1枚のワイシャツの為、時間をかけて店の主人と話し合い、ディテールまでこだわることが出来る・・・。 そして、人生における最高の一着をを作る・・・


そいつが梨泰院テーラーの醍醐味だ。



「アンニョンハセヨー」

バシッとスーツで身を固めた初老の男性が出てきた。 「ヘロー!!」

ヘロー・・・?? 東洋人に向かってヘローとは・・・ 「ワイシャツつくりに着たんだけど、まず採寸してくれないか??」

主人の名前はマイクらしい・・・大橋巨泉のようなオジサンで、意味もなく英語交じりの韓国語で喋る。 しかも英語はかなりネイティブな発音で流暢だ。 ああ、梨泰院に来てるな・・・って感じ全開だ。

上半身を丁寧に測ってもらい、次に布地のサンプルを見ながら、あーでもないこーでもないが30分以上続いている。 主人も、職業病なのか僕がこだわればこだわるほど、色んな提案をしてくる。

オジサンは「ここのサンプルは綿100%が固まっているよ」と言いながら、綿のサンプルばかりを勧めてくる。
「いや、綿100%はアイロンが大変だ・・・少し化繊が入ったサンプルを・・・」
「何をいってるんだ、アイロンくらいちゃんとかけさせなさい、甘やかしたら駄目だ!!」
「えっ?? 僕がかけるんだけど・・・」
「はっ?? 何だよお客さん・・・早く結婚しなよ・・・紹介してやろうか?? 何処に住んでるんだ??」

何故、みんな結婚結婚と言うんだ全く・・・。 イ・ビョンホンだって独身じゃないか!!

「これは化繊何パーセントかな??」
「30だ」
「最高30しかないわけね・・・」
「お前さんと話していたら、1960年代の人と話しているようだよ!!」
「何?? それは何故??」
「1960年代ってのはさぁ・・・洗濯機がなかったんだよ。 だから洗濯板で化繊のシャツをゴシゴシして、パンパンして干してたのさ。 そしてすぐ乾くから、またすぐに着てたよ。 だから、その当時は化繊を好んで選んでいた。 でもさ、夏になると汗でべったりシャツが張り付いてさ・・・暑いのなんのって・・・」
「あはは、面白い!! じゃあ1970年代は??」
「えーっと・・・1970年代も洗濯機なかった!!」
「えっ!? 1970年代も韓国は洗濯機なかったの??」
「俺の記憶では、1978年辺りから徐々に出始た感じだな・・・昔のことはよく覚えているよ。 とにかくみんなビンボーだったよ・・・」
「なるほどね・・・」
「お前さん、何年に生まれた??」
「76年の2月だよ」
「ああ、そしたらいくつだ??」
「韓式で35かな」
「韓式って、何だよ?」
「日本人なのよ!!」
「おお、日本人か!!」
「お前さんだったら韓国人と結婚できるよ!! そして結婚したら俺が綿のシャツを作ってやるよ!! わははははは」

本当に面白いオジサンだ・・・。 しかし1978年に何があったのだろう・・・。 色々と雑談しながらやっとワイシャツの形状が決まった!!

「明日の5時には出来てるよ。 この伝票を持って、またとりに来てくれ。」

ああ、ワイシャツ一枚にここまで時間をかけるのって・・・贅沢な時間だ・・・。 あららもう陽が暮れそうだ・・・。 

そうだな・・・薬水で3号線に乗り換えて、また乙支路でチャジャンミョン食って鍾路に帰るか・・・。

またもや、五九飯店で絶品を食し、ぷらりぷらりと乙支路から、清渓川を渡っている。 僕は清渓川を渡るときは、必ず水標橋(スッピョギョ)を渡って鍾路に帰ると決めている。  他に色々と橋はあるが、遠回りになっても、必ず水標橋を渡るのが鍾路派だ。

さて、今日は軍隊から帰ってきた野郎友達から呼ばれてたんだった・・・。 一杯飲んでくるか・・・。 

スッピョギョからソウルの月を眺めている。 ああ、처량해・・・。



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