母なる混沌



加里峰延辺通りを歩いていると、パンなのか、何なのかわからない食べ物がある。 青いビニールのエプロンをかけた延辺訛りの女性が僕に「どれが食べたいの?? 中で食べることもできるから」と言いながら、僕を誘惑する。 

食べたいけど、名前も知らないものばかりが並んでいるから、正直迷うな・・・。 



油で揚げた三つ編みみたいなパン、巨大なホットクの中に油で炒めた野菜が入った食べ物、とにかく黒くて、何だかわからない食べ物、赤い電子ジャーの中に入った無数のマントウらしきもの・・・。 

なんじゃこりゃ?? 

延辺で食べた朝鮮族が作る料理は全て美味かったという、いいイメージがあるので、恐らくどれも美味いのだろうが・・・。

僕は、かつて延辺で食べたどうしても忘れられない味「羊肉串」食べたいのだ。 知っている人は必ずリピートするだろうが、あれは、あれこそは絶品だ。 延辺では、よく露店でお姉ちゃんが売っている。 しかし、加里峰には、串焼きだけの露店はないようだ。 

【下の写真はかつて中国で撮影した串焼きの露店】



店のガラス窓に書かれたメニューを見ると羊肉串と狗肉が並んでいる・・・。 狗肉と同じ「まな板」で作られた羊肉を食べたくないなぁ・・・。 まるで、「ピーナッツと同じ製造ラインで作られました」というアレルギー表記のように、「狗」の文字に対してアレルギッシュになるザ・ジャパニーズな自分・・・。 



あれっ? 昔よく見た茶房がある。 いかにも怪しい茶房だが・・・。 また興味津々だ。 中はどーなってんだよ?? と思うのだ。 堂々と入ってみると、ボックス席で、オバサンがオッサンの相手をしている。 突然入ってきた僕に驚いて、ポカーンとこっちを眺めている。

「悪りぃ、店間違えたわ・・・」と言いながら店を出たが、こういう雰囲気は久しぶりだ。 本当に、ソウルのど真ん中から殆ど消えてしまった哀愁だ。

ブランディングに余念がない「新しい韓国」は、ピマッコルや加里峰、その他多数の古き良き哀愁を捨て、「一貫したアイデンティティ」を確立しようとしている。 しかし、その「一貫した特定の文化」・・・つまり、韓国人が世界に見せたい大韓民国が、自らの母である「美しき混沌」の排除に繋がっている。

これに気付いている韓国の文化人は今、悲しみに暮れているだろう・・・。 

これらの哀愁を壊したことにより生ずる副作用を想定しているのだろうか・・・。

そもそも変革の最中では、混沌を悪の巣と考える傾向が多いが、自らも混沌から生まれたことを忘れてはならない。 枠組みの中を重視することなく、すべてを抱擁できる「大韓民国」を作るために闘争している人々もいるのだ。

我が国を含む全ての国が、朝鮮民族同士が仲良く、平等に暮らせることを祈らなければならない。 そして、国家ブランディングの到達点は、半島の無血統一と、統一後の差別なき社会の構築でなければならない。 むくげが三千里華麗な山河・・・永遠に平和が続く、美しき統一朝鮮を世界中が願って欲しい・・・

かつて延辺で出会った朝鮮族は僕に言った。


「中国も日本も、韓国もみんな同じだよ」


何度も後ろを振り返りながら、加里峰を後にした。 サランヘ延辺。

コメント
そうだね(笑)
  • suu
  • 2011/06/27 12:54 AM
いやなものはムリしないほうがいいよ。。
  • くん
  • 2011/06/23 3:21 PM
僕は、どうしても無理です。 民族の文化だから尊重しないと本当に人として失礼なのだけど、これだけは無理。 今度、死ぬ気で頑張ってみようかな。
  • suu
  • 2011/06/22 9:26 PM
私は3年前くらいにケコギを1度食べちゃいました。特にすごく美味しかったわけでもないけど、もう2度と食べたくないほどでもないかなぁ。犬は食べるより飼うものだとは思うんですが。
  • ごん
  • 2011/06/22 6:03 AM
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